SDGs講座:実践編
単元4 「値段が安い」ってどういうことだろう ~わたしたちの消費行動について考える~

1■見出し部(Identification Division)

1.1●概括(Overview Section)

管理ナンバー(Management Number)
slu80_sdgs024_kono
分野(Field)
SDGs(持続可能な開発目標)
題名(Title)
SDGs講座:実践編
副題(Subtitle)
単元4 「値段が安い」ってどういうことだろう ~わたしたちの消費行動について考える~
セールスポイント(Sales Point)
学びての反応をみながら授業を展開するスタイルで、小学校での現場経験が豊富なエキスパートによるコンテンツ。

1.2●著作(Copyright Section)

作成者(Author)
河野 晋也
所属(Affiliation)
大分大学大学院
改変履歴(Version & Date)
Ver. 2.0 2021年9月7日

学協会・団体による監修等:
 本構造化学習ユニットで展開された内容は、日本ESD学会との連携により制作されたものです。

2■手順部(Procedure Division)

※「手順部」は「導入」「展開」「まとめ」からなる。

2021年9月7日
SDGs講座「実践編」
担当:河野 晋也(大分大学大学院)
○単元4「値段が安い」ってどういうことだろう ~わたしたちの消費行動について考える~

2.1●導入(Introduction Section)

※新しい学習への準備を整える

<内容・進行>
4.「値段が安い」ってどういうことだろう ~わたしたちの消費行動について考える~

【1】本時のねらい

<スライド2>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

・快適な暮らしを追求してきた歴史やそれを支える資源の有限性に目を向け、生産と消費に関する環境負荷の大きさを知る。
・私たちの消費行動は、一番身近な投票行動であるという意識をもち、自分たちが何気なく生産・消費・廃棄するライフスタイルをSDGsの様々なゴールと結びつけることによって見直し、改善をはかる。
☆ねらい・・・最終的なところで、オチを作る。

【2】前回のおさらい

<スライド3>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

☆受講生のふりかえりレポートをいくつか紹介。
 受講生がつよく問題意識をもったところを見出して紹介してあげる。
 プラスチックの有能性と有害性を思い出すことがねらい.
☆商品名や品質のPRよりも、まず大きく目立つように表示されるのは値段。(数人に指名して答えさせる)それだけ私たちの購買行動は値段に左右されている(7/15)

プラスチックは優等生。
軽い(=配送料がかからない)
加工しやすい(=簡単につくれる)
丈夫なので使い勝手が良い(=大量生産が可能)
安い。
※原価=人件費・仕入れ価格・配送費・梱包材代・家賃・光熱費 etc

2.2●展開(Development Section)

※情報提示:新しい事項を組み込む

【3】考えてみよう

<スライド4>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

問いかけ→指名(7/15)

◎「写真の中で一番大きく、目を引く情報はなんだろう」

写真1枚提示
https://www.e-kinokuniya.com/store/KINOKUNIYA/kamakura/(紀伊国屋鎌倉店HP,2021.12.31確認)

私たちは安い品物が大好き。
問を投げかけて、ちょっと考えさせる
数人に指名して、答えさせる.
商品名や品質のPRよりも、まず大きく目立つように表示されるのは値段,それだけ私たちの購買行動は値段に左右されている.というところに気づかせたい.
☆5分ほど考えさせて、自由に発言を求める。安いために大切にせずにすぐ廃棄しちゃう、などの答えも出てくるだろう。(10/25)

【4】今日のテーマ

<スライド5>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

問いかけ→個人で考える→指名(10/25)
今日のテーマ【安さ×ファッション】
値段が安いことはダメなのだろうか。
持続可能な社会づくりと、どのように関係するのだろう。
◎「値段が安いことはダメなのだろうか。持続可能な社会づくりと、どのように関係するのだろう。」
5分ほど考えさせる.
その後、自由に発言を求める。
安いために大切にせずにすぐ廃棄しちゃう、などの答えも出てくるだろう。

【5】考えてみよう(2)

<スライド6>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

2つの問いかけ(10/35)
2つの問いかけとそれをほぐすための問いの関係性
2つの問いかけとそれをほぐすための問いの関係性について図示
以下(1)(2)について,まずほぐすための問い(以下△印)を指名して回答を求める.
そのあと問い(以下◎印)について,5分ほど個人で考えさせる.
その後,自由に発言を求める.

(1)1つめの問いかけ
△ほぐす問い「いま着ている服は、いくらぐらい?(答えなくてもいいですよ)」

△ほぐす問い「何円くらいまでなら値段を吊り上げられるだろう?(となりの人に「これ〇〇円で買ったよ」と言って、信じてもらえる金額は?)」
◎問いかけ「その値段の差は、どうやって埋められているのだろう。」
そのあと問い(以下◎印)について,5分ほど個人で考えさせる.
その後,自由に発言を求める.

(2)2つ目の問いかけ
△ほぐす問い「いま着ている服は、購入してから何年目?」
△ほぐす問い「(差し支えなければ…)あと何年着るつもりでしょうか?」
△ほぐす問い「実際には、あと何年もつだろう。」
◎問いかけ「この期間の差を埋めるために、新しい資源を利用することに…捨てられた服はどうなるのだろう」
そのあと問い(以下◎印)について,5分ほど個人で考えさせる.
その後,自由に発言を求める.

ファストファッションという言葉を教える。(ファストフードと同じイメージ)
企業名は出しにくいが、安くて回転の速い大型衣料品店をイメージできればいいな。(3/38)

5.考えてみよう(2)ー2

<スライド7>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

説明(3/38)
たしかに安いことは魅力的。新しい、はやりの服をすぐ買える。
『ファストファッション』
流行を取り入れつつ、低価格に抑えた衣料品を大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態
ファストファッションという言葉を教える。
(ファストフードと同じイメージ)企業名は出しにくいが、安くて回転の速い大型衣料品店をイメージできればいいな。

【6】ファストファッションの問題点

<スライド8>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

説明(5/43)
(1)労働搾取
 ●安い服を大量に作るために、削るのは人件費。
  →発展途上国、低賃金、長時間労働・・・
 ●必然的に労働環境もないがしろに。
  →2013.4.24ダッカ近郊のビル「ラナプラザ」倒壊事故(1100人の被害者)
 ●近年では、中国・新疆ウイグル自治区での強制労働問題
  Ex:カンボジアの縫製労働者
   約3分の1(主に女性)が栄養失調
   1日あたり1,600カロリーの食事
“GlobalPost”(2014.4.7)
 Ex:バングラデシュ「ラナプラザ」倒壊事故
 ・過酷な労働(週7日、残業)
 ・安全性への配慮
 ・児童労働
 ・月給約38ドル(4500円程度)/伊藤(2016)
 発注するアパレル企業は強い立場にあり、高品質低コストでの納品を求め、気に入らなければ契約を解消する。
☆主に説明中心で,聞いたことがあるかもしれないので(5/43)

6.ファストファッションの問題点ー2

<スライド9>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptxhttps://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

(2)大量廃棄
たくさん作れば作るほど、捨てる服の数も増える
・安ければ廃棄することの抵抗が薄くなり新しい服を買いやすい
 =買い換える頻度が増える
〇服の素材:綿花繊維 
ポリメール・・・近年の綿花不足
綿花消費量 1990年 3800万t
      2000年 5000万t
      2012年 7500万t
〇1年間に作られる服は1500億枚
(一人当たり20枚)
でも80%以上は廃棄される。
・・・リサイクルの許容範囲を大きく超える

6.ファストファッションの問題点ー3

<スライド10>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

(3)水質汚染
水質汚染を生む業界第2位がファッション業界
 ← 綿畑への殺虫剤
 ← 合成染料と化学薬品による着色
 ← ジーンズ1枚に約7500リットルの水(風呂20杯)
木綿のシャツ1着に約2650リットルの水
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/(国際連合広報センター,2021年12月31日確認)

Ex:インドの毒性汚水
 インド北部カーンプル
 皮革製品の製造過程で毒性の汚水が発生。毎日5000万リットルが農業・生活用水に。
 近隣住民の皮膚疾患、消化器官疾患
映画『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション真の代償~』
https://unitedpeople.jp/truecost/(公式HP,2021年12月31日確認)

Ex:海のマイクロプラ
ポリエステルなどの化学繊維
・・・海に流出すると・・・?

6.ファストファッションの問題点ー4

<スライド11>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

ファッション業界から出るCO2排出量は世界全体の10%を占めている。
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/(国際連合広報センター,2021年12月31日確認)

2.3●まとめ(Summary Section)

※出来具合を確かめ忘れないようにする

【7】考えてみよう(3)

<スライド12>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

3つの問いかけ→問いをほぐす→考えを本時の課題へ
 「なぜこの問題がおきるのだろう」
 「どうやって解決できるだろう」
 「似た問題がファッション業界以外にないだろうか」
上記3つの問いについて,まずは個人で考える
次にグループで現段階における個人の考えを共有する.
各自,次回までに課題を作成する.

【8】課題レポートについて

<スライド13>
[File] mat_sdgs024-01_kono.pptx
https://docs.google.com/presentation/d/1tysWBQX9_tU7f_JMQDD16M7YA8jZr1ld/edit?usp=sharing&ouid=114980989821253896052&rtpof=true&sd=true

構造化授業サマリ
設問1 [事実としての根拠]得られた新しい知識
※今回知ったことをまとめます。聞いた言葉を使って「根拠」を明示してください。
設問2 [自己の振返り]浮かび上がってきた課題
※自分ごととして「振返り」ます。浮かび上がってきた自分の課題を書いてください。
設問3 [論拠の創造]自分の未来への意味
※自分にとっての意味を考え、自分の未来につなげる「論拠」を創ってください。

+α 自分の持ち物の中で,一番長く使っているものを探してみよう。
☆受講生がつよく問題意識をもったところを話してもらう(知識としてのゴールよりも、答えに多様性を持たせて、ものの考え方を身に着けることを大切に)。それをふまえてレポートに反映させてもらう。

おわり

3■備考部(Remark Divison)

※「備考部」は「注記」と「参考文献」節からなる。

3.1●注記(Note Section)

3.2●参考文献(Reference Section)

湯本浩之(2021)
「SDGs教材映像リスト」(video_list_SDGs_yumoto_20210712.pdf)
https://drive.google.com/file/d/1WP7Szx5Dl8YSn3aPR6g49TM3IR1ikbEG/view?usp=sharing

3.3●配布条件(Distribution Condition Section)

選択肢 中項目 備考
Public Domain 改変・再配布自由
Creative Commons 対応 改変許諾(Permission for Change) ※「改変許諾」か「改変禁止」のどちらかを指定する。
改変禁止(Without Modification)
継承(Share Alike) ※「継承」「商用許諾」「非営利」のいずれかを指定する。
商用許諾(Commercial) ※授業目的以外のオープンキャンパス等で利用するには商用許諾が必要。
非営利(Noncommercial)

[CC BY] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求する。
[CC BY-NC] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定する。
[CC BY-ND] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、いかなる改変も禁止する。
[CC BY-NC-ND] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定し、いかなる改変も禁止する。
[CC BY-SA] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
[CC BY-NC-SA] 作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
(注)クリエイティブ・コモンズ(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(2021))を参照。

4■環境部(Environment Division)

4.1●ハードウエア(Hardware Section)

4.1.1★教室種別(Classroom Type)

教室環境:次のような条件を満たす教室や会議室であること。
(1)イスや机が可動式であること。
②イスと机(例:3人掛けの長机)で1グループ4~5名のグループ(島)をつくることができること。
③全員がイスで車座に座ることのできるスペースを確保できることが望ましい。

講義室 演習室 実験室
体育館 運動場 PC教室
CALL教室 Online

4.1.2★プレゼンテーション設備(Presentation Facility)

移動式ホワイトボード(各グループに1台あるとよいが、なくても可)

ホワイトボード(黒板)(White(black)board) 教材提示装置(Presentation Camera)
ビデオテープ(Videotape) CD, DVD or BluRayDisc
液晶プロジェクタ(Liquid-Crystal Projector) ウェブカメラ(Web Camera)
教卓PC(Teacher PC)

4.2●ソフトウエア(Software Section)

アンケート等は学習管理システムを利用する。

学習管理システム(Learning Management System) ウェブ会議サービス(Web Meeting Service)

5■戦略部(Strategy Division)

※「戦略部」は「学習戦略」「成績評価」「働き掛け」からなる。

5.1●学習戦略(Learning Strategy Section)

※「学習戦略」節は「授業形態と組合せタイプ」「授業方針」「学習目的と形成的評価」からなる。

5.1.1★授業形態と組合せタイプ(Style of Class & Class Combination)

授業時間:1単元あたり90分。

選択肢1 選択肢2 備考
[F2F]対面授業(Face-to-Face Class)
オンライン授業(Online Education) [DOC]資料配信型(Material Distribution) ※授業形態の選択:オンライン授業の場合,授業形態を[DOC][REC][LIVE]から選択する。
PDFファイル等による資料配信
[REC]オンデマンド型(On-Demand) 非同時動画配信
[LIVE]ライブ型(Real-Time) 同時動画配信
[B]ブレンド型(Blended) ※組合せタイプの選択:オンライン授業の場合,組合せタイプを[B][D][H]から選択する。
P授業の回によって、対面[F2F]とオンライン[LIVE][REC][DOC]を切り替えることで組み合わせる(ローテーション型授業や反転授業など)。受講する授業形態を決めるのは教員である。
[D]分散型(Distributed) クラスをグループに分けて、一方を対面授業[F2F]とするときには他方をオンライン授業[LIVE][REC][DOC]とし、授業の回によって入れ替える。対面授業の三密対策に有効である。対面授業の受講する授業形態を決めるのは教員である。
[H]ハイフレックス型(HyFlex) 対面授業[F2F]を実施する際、同時動画配信[LIVE]しつつ、その授業動画を収録して非同時動画配信[REC]することによってオンデマンド授業としても参加可能とする。受講する授業形態[F2F][LIVE][REC]を決めるのは学生である。HyFlexはHybrid-Flexibleの略。
【参考文献・URL】「ハイフレックス型授業実践ガイド(PDF版)」, 『ハイフレックス型授業実践ガイド』, 全学教育推進機構教育学習支援部サイバーメディアセンター, p. 2, 大阪大学.
https://www.tlsc.osaka-u.ac.jp/project/onlinelecture/hyflex.html(2021年1月25日アクセス)

5.1.2★授業方針(Class Policy)

講義中心(Lecture) 演習中心(Practice) ワークショップ中心(Workshop)
体験型学習(Experimence-Based) 問題解決型学習(Problem-Based) プロジェクト型学習(Project-Based)

5.1.3★学習目的と形成的評価(Learning Objective & Formative Assessment)

【学習目標】
快適な暮らしを追求してきた歴史やそれを支える資源の有限性に目を向け、生産と消費に関する環境負荷の大きさを知る。
私たちの消費行動は、一番身近な投票行動であるという意識をもち、自分たちが何気なく生産・消費・廃棄するライフスタイルをSDGsの様々なゴールと結びつけることによって見直し、改善をはかる。

選択肢 備考
知識獲得型(Knowledge) 知識の獲得を主たる目的とする。
[形成的評価の例]獲得を目指す「知識」は何か?
個別的知識を小テスト、統合的知識をレポートで評価。
技能習得型(Skill) 技能(スキル)の習得を主たる目的とする。
[形成的評価の例]習得を目指す「技能(スキル)」は何か?
実践結果とその振返りで、自己評価・同僚評価(注3)。
認知変容型(Cognition) 認知・態度の変容を主たる目的とする。
[形成的評価の例]変容を期待する「認知・態度」は何か?
想定される認知バイアスや態度を事前アンケートで評価、学習後の変容を事後アンケートで評価。事前・事後の比較で「認知・態度」の変容を評価。

5.2●成績評価(Grading System Section)

選択肢 備考
[形成=成績] 形成的評価による教育指導を全面的に成績評価する方法
(例)形成的評価の内容を点数化して取り入れる
[形成→成績] 形成的評価による教育指導の一部だけで成績評価する方法
(例)形成的評価の提出状況だけを点数化して反映させる
[形成≠成績] 形成的評価による教育指導を成績評価に取り入れない方法
(例)形成的評価は用いず、レポート・アンケート等で成績評価する

5.3●働き掛け(Encouragement Section)

【働き掛けについての特記事項を書く】

選択肢 個数(半角数字) 備考
授業素材の「核」の個数(Number of Leaning Nucleus) 18 原理的に1以上で、一般的に複数個:学習の素材となる核の個数。一般には、教授内容(what)のための核と動機づけ(why)や振り返り(reflection)の学習素材からなる。
ガニェ指標の個数(Number of Gagne Index) 6 変域[0, 9]:教授法的側面からの学習の容易性の指標で、ガニェの9教授事象(Gagné's Nine Events of Instruction)にどの程度のっとっているかの度合い。9教授事象(注意喚起、目標提示、前提条件、新事項提示、指針提示、練習機会、振返機会、成果評価、保持移転)のうちのいくつが該当するかで算出。
場設モードの個数(Number of safety-mode) 20 指示(-1)⇔開放(+1):「主体的に学ぶ」態度を心理的安全性の観点から促すために、学習者の情意的側面への働きかけによって場を設える教員の言動。「指示」:学生の学習行動を促す教員の明確な指示、「開放」:安心な学習態度に導く教員の言動。
対話モードの個数(Number of Dialogue-mode) 14 自己(-1)⇔同僚(+1):「対話的に学ぶ」態度を促すために、学習者の認知的側面への働きかけによって場をゆさぶる教員の言動。「自己」:自己内の対話、「同僚」:同僚との対話を促す教員の言動。
視界モードの個数(Number of Birdeye-mode) 5 虫目(-1)⇔鳥目(+1):「深く学ぶ」態度を促すために、学習者の認知的側面への働きかけによって場をゆさぶる教員の言動。「虫目」:虫の目(具体化)の視点、「鳥目」:鳥の目(抽象化)の視点に導く教員の言動(具体化は形式論理の「演繹推論」、抽象化は「帰納推論」に発展的に対応)。
事由モードの個数(Number of Warrant-mode) 23 事実(-1)⇔理由(+1):「深く学ぶ」態度を促すために、学習者の認知的側面への働きかけによって場をゆさぶる教員の言動。「事実」:事実や事実の記述、根拠、「理由」:理由を与える意味や価値、論拠に焦点を当てる教員の言動(事実は非形式論理の「根拠」、理由は「論拠」に対応)。

本文

【分析担当】阪井和男(明治大学)
分析表: slu80_sdgs024_kono_TBL.pdf
https://drive.google.com/file/d/19OsT4pqzRCSjWmfUaHZT0Xo8jwcBEdwv/view?usp=sharing
分析図: slu80_sdgs024_kono_FIG.pdf
https://drive.google.com/file/d/1CHi40v63PcGkTILDBJUVFeQVo6kL9eLb/view?usp=sharing